ケアマネージャーという資格は聞いたことがあると思います。一般的には、略して「ケアマネ」と言われていますが、正式名称は、介護支援専門員といいます。
ケアマネージャーは、要介護の方のために、介護保険制度によるケアプランを立てたり、介護サービスの内容を管理、調整したりします。
ケアマネージャーは、居宅介護支援介護支援事業所で働く居宅ケアマネージャーと、介護保険施設で働く施設ケアマネージャーに分けられます。前者は、自宅で暮らしながら介護を必要としている高齢者のサポートをします。後者は、施設に入っている高齢者のサポートをします。
いずれのケアマネージャーも、高齢者と介護保険サービスの間を取り持つ重要な役目があります。
ケアマネージャーの配置基準は、国によって決められており、居宅介護支援事業所では1名以上、介護老人保健施設でも1名以上となっています。
もくじ
仕事内容
1．介護相談
2．要介護認定の書類作成代行
3．ケアプラン作成
4．モニタリングの実施
以上の4点が主な仕事です。
具体的には、介護を必要としている高齢者の生活、介護の状態、暮らしぶり、かかりつけ医、利用している介護サービス、近所との関係、家族関係などを把握、検討し、要介護者の今後のケアプランを立てます。
ケアプランの実施のために、関係機関との連絡、調整を行います。介護相談は、ご家族からだけでなく、地域包括支援センターから来ることもあります。
モニタリング業務とは、介護サービスを利用している要介護の高齢者を訪問し健康状態や介護サービスがうまく回っているか、不満はないかを確認し、問題があれば、ケアプランの変更、修正を行います。高齢者の方にベストな介護、支援を行えるようにします。
必要とされる職場、施設
居宅介護支援事業所、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設のほかに、グループホーム、有料老人ホーム、ケアハウスなどでもケアマネージャーが活躍しています。さらに、福祉事務所、市区町村の福祉課、在宅支援センター、生協・農協、生命保険会社など多岐にわたります。
ケアマネージャーの需要は、これからさらに増えることは間違いありません。
給料、時給、年収
ケアマネージャーを募集する求人票では、「初心者OK」「未経験者可」などと書かれていることはあっても、「介護支援専門員」の資格は必ずいります。場合によっては、普通自動車免許を要求されることもあります。
たとえ、初心者や未経験者であっても、研修が充実している施設、事業所があるのでだいじょうぶです。また、仕事を通して、経験、実績を積んでいけます。
また、ケアマネージャーの中には、実際の介護の仕事や、管理者としての仕事を兼務している方もおられます。
では、具体的に就労形態別給料などを見てみましょう。
【正社員】
基本給18～22万円以上、各種手当、平均年収380万円
賞与、交通費、各種保険、退職金
【契約社員】
基本給17万円以上、各種手当
各種保険、交通費
【派遣】
時給1200円以上
【アルバイト・パート】
時給900円以上
いかがでしたか？就労形態による給料の差は、けっこう大きいでしたね。
勤務条件
勤務時間は、8：30～17：30など日勤が主です。ただし、介護施設で働き、介護職を兼務している場合、夜勤などのシフトに組み入れられていることもあります。休日は、完全週休2日制やシフト制（月8～9日休み）など働いている場所によって異なります。
ケアマネージャーの場合、残業はほとんどありませんが、ケアプランを検討する会議が休日に日程に入ることもあり、その場合は休日でも出勤しなければなりません。
働き方
ケアマネージャーの需要は、介護関連の職場から、民間の保険会社まで幅広くありますから、あなたのライフステージや事情に合わせて、正社員、契約社員、派遣、アルバイト・パートなどどんな働き方でも選択できます。
就職に当たって、年齢や男女別の差や制限はほぼないと言っていいでしょう。
ケアマネージャーになるには？
「介護支援専門員」という資格が必要です。この資格は、国家資格ではなく、都道府県で試験を受ける公的資格になります。
受験資格は、特定の国家資格（保険、福祉、医療分野）を持っていて、実務経験が5年以上お持ちの方、あるいは介護職の実務経験が5～10年以上持っている方になります。
「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、「実務研修」を計32時間以上修了すれば、ケアマネージャー（介護支援専門員）の資格を取得できます。
キャリアプラン
ケアマネージャーのさらなる高みを目指すなら、「認定ケアマネージャー」の資格を取得するといいでしょう。専門性が深められます。
あるいは、ケアマネージャーの中から決められた研修を受けた人に与えられる「主任ケアマネージャー」を目指すのもいいかもしれません。
他にも、独立開業、大学・専門学校の講師という道もあります。いずれにせよ、介護保険制度がどんな風に見直されても、ケアマネージャーは、介護職の中心を担うポジションであることに違いはありません。
仕事のメリット・デメリット
介護に関わる人は誰にでも要求される資質が、周囲の状況を的確に判断する能力、特に利用者や関係機関との調整などが必要なため、人とのコミュニケーションがうまく取れること、相手の気持ちに添えることなどが大切です。
人と人をつなぐ気苦労の絶えない大変な仕事ですが、それは同時に、自分の力で全体を調整し、うまく回していくことがやりがいにつながります。また、利用者からのねぎらいの言葉は、仕事を続けていくうえでとても励みになります。
まとめ
ケアマネージャーの仕事、資格についてまとめました。急速に進む高齢化社会に対応するため、介護の仕事は日々変化しています。しかし、そうであればあるだけ、ケアマネージャーのような専門性を持つ仕事の重要性は増します。ぜひ、資格の取得を目指してみてください。
